「すっぱい葡萄」を地で行く声オタの不毛な価値観
芳醇ワイン生む不毛の大地
ギリシャのサントリーニ島は不毛の大地だ。ここでワイナリーを経営するパリス・シガラスさんが、彼のブ
ドウ園を案内してくれた。そこでわたしが目にしたのは、これまで見てきた中で最も奇妙な形をしたブドウ
の木だった。普通なら一定間隔できれいに立ち並んでいるはずのブドウの木が、ここでは地面をはうよう
に低く植えられ、その周囲にはつるがかご状にぐるぐると巻かれている。暑い太陽の日差しとエーゲ海か
ら吹き寄せる風から木を守る役目をしているのだという。
◆魚料理と相性抜群
サントリーニ島の家族経営のワイナリー「エステート・アルギロス」の4代目、マシュー・アルギロスさんは、
シガラスさんと同様に島内で最高のワインを生み出す。5歳からワイン造りを始めたというアルギロスさん
が案内してくれたのは築300年のワインセラーだ。そこで樽から注いでもらったビンサントは酸味が強く、
見事に調和された風味が甘さを抑えている。
1週間の滞在中に口にしたドライな白ワインのすべてに心を動かされたわけではない。歯にしみるような
酸味の強いものもあったし、オーク樽の香りがきついものもあった。ただ、魚料理との相性なら最高級のア
シルティコはどんなワインにも引けをとらないだろう。
(抜粋)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100910/mcb1009100505013-n3.htm