立命大が大阪進出構想、茨木・工場跡地に一部学部を移転
学校法人立命館は27日までに、大阪府茨木市を最有力候補地として、
立命館大の新キャンパスを開設する「将来構想」をまとめた。
衣笠(京都市北区)、びわこ・くさつ(BKC、草津市)の両キャンパスと並ぶ規模を想定し、
2015年度までに複数の学部を移転する案で、
既に学内で意見集約を始め、年内の方針決定を目指している。
新キャンパスが実現すれば、京都の有力私立大学で初の本格的な大阪進出になる。
受験生の動向にも大きく影響し、「生き残り」をかけた大学間競争がさらに過熱しそうだ。
将来構想は、20年までの学園整備を検討する「新中期計画」の検討委員会
(委員長・川口清史総長)がまとめた。衣笠キャンパスは手狭で建物も老朽化しているが、
法規制などで施設整備が難しく、学部再編の障壁になっている。
また、BKCでの大学院の充実や医学系分野への展開をにらみ、新キャンパスが必要と結論づけた。
候補地は、JR茨木駅の南約500メートルのサッポロビール工場跡地で、
面積は衣笠キャンパスとほぼ同じ約12万平方メートルある。
阪急の茨木市駅や大阪モノレールの宇野辺駅からも徒歩圏内で、
大阪だけでなく、神戸市からも1時間以内で通える。
検討委は京都市右京区の山ノ内浄水場跡地も考えたが、
約4万6千平方メートルと狭いことなどから茨木市を優先した。移転する学部は未定だが、
衣笠、BKCと同規模の学生数を想定する。衣笠とBKCの一部学部内で移転の検討を始めている。
立命館大は全国から学生を集めているが、大阪、兵庫からの受験志願者の割合が
「関関同立」の中で目立って低く、大きな課題となっていた。
今年4月に関西大が京都に近い高槻市のJR高槻駅前に新キャンパスを開設しており、
立命館大が逆に大阪へ攻め込む格好になりそうだ。
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20100827000086