ロシア火災 核開発拠点に延焼懸念 「サロフ」を防衛せよ
【モスクワ=遠藤良介】ロシアで猛暑と干魃(かんばつ)を受けた森林火災が深刻さの度を増し、西部の核開発閉鎖都市サロフ
(旧アルザマス16)でも4日までに火の手が上がった。同市にある核兵器開発拠点、連邦原子力センターの施設に延焼した場合
には破局的な事故につながる恐れがあり、関係当局による懸命の消火作業が続いている。森林火災は各地で拡大の一途を
たどっており、政権の対応を批判する声も強まってきた。
サロフ市では4日、消防車両116台と航空機6機などを投入し、2千人以上による消火活動が続いた。軍や原子力センターの
職員も作業に加わっている。市当局は「火の手はいくつかに分散され、炎上面積も狭まっている」としている。
3日に現地入りした国策原子力統合企業「ロスアトム」のキリエンコ総裁は「原子力センターにはいかなる脅威もない」と強調。
ただ、実際の火勢や核施設との距離、原子炉と核燃料の保護状況や延焼した場合の影響は全く不明だ。原子力分野に最も
重要な情報公開の面で、この国が大きく立ち遅れている現実が改めて浮き彫りになっている。
サロフ市の人口は約9万人。外国人はおろか自国民も自由に立ち入りできない「閉鎖都市」の一つだ。ソ連時代には軍事基地
や核関連施設が存在するとの理由で150ともいわれる都市や居住区が“鎖国状態”に置かれ、現在も40近くの閉鎖都市が残っている。
続きはwebで
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100805-00000124-san-int