犬や猫にかまれ感染 神戸で4人重症化
検査用の血液培養設備の前で注意を呼び掛ける三木寛二副技師長=神戸市中央区港島中町4
http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/Images/03244637.jpg 犬や猫にかまれたり引っかかれたりして、その口の中にいる常在菌に感染する「カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症」。国
内でこれまでに重症化し報告された患者は14人とわずかだが、うち4人が神戸市で確認され、2人が敗血症で死亡している。軽
症のため見逃されている患者も少なくないとみられ、厚生労働省などは注意を呼び掛けている。
同症は発熱や腹痛などの症状が出るほか、血液中で菌が増え、臓器が炎症を起こす敗血症で死亡することも。治療には抗菌
薬などが使われる。
神戸市立医療センター中央市民病院(同市中央区)によると、同病院では2007年以降、感染した4人が敗血症で治療を受けた。
うち59歳の女性は07年10月、飼い猫に右腕と左脚を引っかかれ、3日後の朝から嘔吐(おうと)などの症状が出た。夕方には
全身ショック状態で救急搬送され、抗菌薬などの投与を受けたが、翌朝に死亡した。また、70歳の男性は08年7月、野良猫に右
腕を引っかかれ、3日後に下痢の症状が出た。搬送されたが、翌朝に亡くなった。
同病院臨床検査技術部の三木寛二副技師長(57)は「血液検査で感染は確認できる。猫や犬にかまれるなどし、体調が悪く
なったら病院で検査を受けてほしい」と話す。
厚労省のまとめでは、02年以降、全国で40〜90代の14人が重症化し、うち6人が死亡。世界では約250人の患者が報告さ
れている。同省はこうしたデータや主な症状、手洗いなど予防策の情報をホームページに掲載している。
カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症 1976年に米国で最初の報告例があった。感染力は弱いが、糖尿病などの慢性疾患
のある人や、高齢者など免疫機能が低下している人は重症化しやすいと考えられている。ヒトからヒトへの感染の報告はない。
(抜粋)
http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/0003244636.shtml 依頼74