(CNN) チューリップ型のカイメン、原色のサンゴ、星型や羽毛状の生物――。
カナダ・ニューファンドランド島の東海岸沖の海底から、遠隔操作の水中カメラで撮影した映像が届き、
深海のサンゴや新種生物の生態が明らかになった。海洋環境の変化を探る手掛かりとなることが期待される。
カナダ漁業海洋省が率いたこのプロジェクトには、同国の3大学とスペイン海洋研究所の科学者チームらが参加。
同国沿岸警備隊の艦艇上から高性能カメラを操作し、20日間にわたって、北大西洋漁業機関(NAFO)の保護対象11区域の海底を探査した。
従来の探査より500メートル深い3000メートルの海底まで到達し、多数の新種生物などを発見した。
プロジェクトを主導した同省の研究員、エレン・ケンチントン氏はCTVテレビに「深海生物の多様性に対する認識が塗り替えられた」と話した。
同氏がモントリオール・ガゼット紙に語ったところによると、収集された映像データや標本から、
サンゴの化学組成、海底の水温などを1000年さかのぼって推定することも可能になるという。
サンゴは2億5000万年前から地球上に存在する生物の一種だ。口や触手を持ち、プランクトンを食べて成長する個体が
分裂を繰り返して群体を作る。その下には石灰質の骨格が積み重なり、やがて巨大なサンゴ礁となる。
サンゴ礁は世界で最も生産的な生態系のひとつとされ、4000種以上の魚類などがすむ。
だが一説によれば、世界のサンゴ礁の20%はすでに死滅し、24%が深刻な危機にさらされているという。
現在の漁業技術では到達できない区域が、何年かたって漁業圏内に入った時、今回の成果が参考データになることも考えられる。
ケンチントン氏はCTVとのインタビューで、「漁場となる前の深海にどのような生物が存在したのかについて、将来への助言が可能になるだろう」と語った。
新種と考えられるサンゴ 付近にはエビも
http://www.cnn.co.jp/science/images/AIC201007270014.jpg カナダ沖海底のタコ
http://www.cnn.co.jp/science/images/AIC201007270015.jpg そーす
http://www.cnn.co.jp/science/AIC201007270016.html 依頼53