★☆★ スレ立て依頼所[100718] ★☆★

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231 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です
「だます方より だまされりゃいい なんてウソかな ああ」 ←ほんとう


だまされ上手が生き残る [著]石川幹人

■人間社会には「だまされる」が必要

 だまされる、怒っちゃう、やきもちを焼く。こういう困ったちゃんな感情はないほうが世の中平和というもの
だが、なぜあるのか。
 進化論では、「人間が生き残るのに有利な機能だったから」と実にあっさり説明する。身体同様、心も淘
汰・選択されてきたという驚きの進化心理学入門の書である。
 食料確保と安全のため集団生活を始めたことが、人間心理の骨格を作った決定的要因だったらしい。利
益を分配するにあたっては「公平感」が求められ、仲間の誰かがズルをして利益を独り占めすれば、周囲
の「憤り」が制裁と裏切り防止に有効に働く。また、集団のルールに無条件に従わなければ協力活動は維
持できない。メンバーが自分の欲望と異なる集団の目標や大義に「だまされる」ことがぜひとも必要だった
という。
 お金というシステムも実は、集団維持強化の延長線上で登場する。「信頼」をお金という記号に変え、結
束が難しい大規模集団内の協力を可能にした。これもただの紙や金属に価値があるとするうさん臭い取り
決めに「だまされ」なければ成立しない。
 よかったよかった、だまされやすいからダメダメちゃんてわけじゃないんだ、と喜んでる場合じゃなかった。
心の働きは集団の規模が小さい狩猟採集時代にできたもの。社会が地球規模に拡大した現代ではうまく
機能しなくなったという。うつ病やひきこもり、心の病がやたら幅を利かすのもそのせいか? 心の進化が
社会変化に追いつけばいいのだが、そうそう進化が速くなるとも思えない。……するとこの先はどうなるの
だろう。
 会話が通じない、コミュニケーションがちぐはぐ。人の「壊れ」感は確かにある。心の働きを知って賢く生
きようというのが本書の提言だが、悲観的気分のほうをダメ押しされちゃった気がする。
(抜粋)

http://book.asahi.com/shinsho/TKY201007190182.html