ロシアのミッキー顔のキリスト訴えられる
ミッキー顔のキリスト?信仰心「侮辱」どう判決
【モスクワ=山口香子】モスクワの地方裁判所で12日、ロシア正教徒の信仰心を侮辱する現代美術展を企画したとして、
著名文化人2人が懲役3年を求刑された事件の判決が言い渡される。
実刑の場合、美術表現を巡る裁判ではソ連崩壊後初となり、文化人らは検閲強化につながると危機感を強めている。
政教分離の原則を問う裁判としても注目が集まる。
問題となっているのは、2007年にモスクワのサハロフ博物館で開催された「禁じられた美術」展。
企画した同博物館館長(当時)のユーリー・サモドロフ氏と、国立トレチャコフ美術館現代美術部長(同)のアンドレイ・エロフェエフ氏の2人が、
「市民の信仰を侮辱し、宗教的憎悪を扇動した」罪で08年5月に起訴された。
モスクワで8日、エロフェエフ氏とともに記者会見したサモドロフ氏は、「裁判官は国と教会から大きな圧力を受けている」と述べ、
事件化の背景に、愛国心と信仰を一体化させて国民を団結させたい国と教会の思惑の一致があると訴えた。
美術展は、ロシア各地で展示を拒否された現代美術作品25点を集めたもので、
キリストの顔部分がミッキーマウスの顔になった宗教画風の作品など、宗教を題材に現代ロシアの拝金主義を皮肉る表現が多かった。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100710-OYT1T00694.htm