大阪府は6日、改正貸金業法の規制を緩和する構造改革特区の設置を政府に正式提案した。
年20%の上限金利や、個人の借入総額を年収の3分の1に制限する「総量規制」を一部緩和する一方、
債務者の支援機関を府が設置し、規制緩和と多重債務対策を両立させる内容。
上限金利の引き下げで事業者向け短期融資から撤退する貸金業者が相次いでいることが背景にある。
ただ、政府などから異論が相次ぎ、実現に向けた交渉は難航しそうだ。
提案によると、1年以内の中小事業者向け融資と、20万円以内の個人向け融資について、上限金利を改正前の年29.2%に戻す。
年間返済額が年収から生活費と住居費を引いた額の9割以下なら、総量規制を超えた融資を認める。
府内に本店を置き、府の認証を受けた貸金業者が対象。
府の支援機関は、カウンセラーが弁護士に頼らない債務整理や生活再建を支援する。
橋下徹知事は6日、「改正法は安易な規制で知恵がない。行政が規制しない方法で適切な貸金取引を目指す」と説明。
霞が関政策研究所の石川和男代表は「改正法は多重債務対策に偏っており、
中小事業者の資金繰りとのバランスを取った政策が提案されたのは前進。国は全国に適用すべきだ」と評価する。
政府は9月末をめどに可否を判断するが、交渉は難航しそうだ。
自見庄三郎金融・郵政担当相は6日の閣議後会見で「出資法の上限金利を超える貸し付けは刑罰の対象。
地域で刑罰が異なるのは法の公正性に反する」と疑問を呈した。
また、大阪弁護士会の金子武嗣会長は同日、「多重債務者救済に逆行し、容認できない」と撤回を求める声明を出した
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100706-00000085-mai-bus_all