「VLC Media Player 1.1.0」では、AOLの要請でSHOUTcastモジュールを除去
フリーソフトウェアの動画プレーヤー「VLC Media Player」を開発している仏VideoLANプロジェ
クトは21日、間もなくリリース予定の次期メジャーバージョンとなる「1.1.0」において、「SHOUTcast」
モジュールを除去して公開すると発表した。これは、SHOUTcastのライセンスを保有する米AOL
の要請によるものだとしている。
SHOUTcastは、インターネットラジオの仕組みの1つで、多くのインターネットラジオ局が放送の
ためにSHOUTcastを利用している。
VideoLANによると、昨年、AOLの複数の社員から要請のメールを受け取ったという。彼らの主
張では、SHOUTcastのライセンスはフリーソフトウェアと相いれないため、VLC Media Playerから
取り除くよう求めていた。
AOLのライセンスでは、SHOUTcastは、ソースコードの形態での配布、派生的作品を作る目的
でのライセンス、無償での再配布の禁止などの項目のほか、SHOUTcastツールバーを同梱するこ
とも求められている。
これを受けてVideoLANプロジェクトでは、SHOUTcastを次期バージョンから取り除くことを決定。
同時にオープンソース代替品として「icecast」を推奨。IcecastディレクトリをVLCに統合するための
方法も提供する。SHOUTcastディレクトリに登録しているネットラジオ局に対し、icecastディレクトリ
にも登録するよう働きかけることをユーザーに呼びかけた。
また、VideoLANプロジェクトでは、AOLの複数の責任者のメールアドレスを記載し、今回の措
置に対して抗議することをユーザーに呼びかけている。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100622_375981.html