携帯電話の使用と脳腫瘍の発症に因果関係はみられないと結論付けた国際調査「インターフォン」に対し、
一部の専門家らが批判を強めている。韓国で今週開かれた学会では、米国の研究者が調査方法の問題点を厳しく指摘した。
環境要因による健康問題を扱う米研究機関「環境健康トラスト」のロイド・モーガン氏は、生体電磁気学会の年次学会で
「インターフォン研究は人々に根拠のない期待を抱かせる」と主張した。
モーガン氏によると、同研究は対象者が偏っていたうえ、子どもや若者、脳腫瘍で死亡した人が除外されている。
また、一部の脳腫瘍のみを対象としている点も問題だという。
さらに、同氏をはじめ多くの研究者が指摘するのは、携帯電話ユーザーのデータが古い点だ。
同研究では月平均の使用時間を2〜2.5時間としたグループが「平均的ユーザー」に分類された。
これに対してカリフォルニア大バークレー校のジョエル・モスコウィッツ博士は、「現在の米国では1週間に2.5時間が普通。
これはインターフォン研究の対象者の約4倍に上る」と指摘。
また、同研究が設定した生涯に使用する総時間は、現在のユーザーなら1年以内に使い切ってしまう時間だと疑問を示す。
携帯電話と脳腫瘍との関係については今のところ、確立した定説はない。モーガン氏は「携帯電話をすべて廃棄するべきなど
とは思わないが、消費者はこうした研究の見出しだけ読んで安心してはいけない。10年後に『なぜ言ってくれなかったのか』と
後悔してほしくない」と話している。
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