「W杯は反イスラム」TV観戦の2人射殺 ソマリア
【ヨハネスブルク=古谷祐伸】南アフリカで開催中のサッカー・ワールドカップ(W杯)を観戦するのは、無政府状態の
ソマリアでは命がけの行為となる。首都モガディシオで12日、アルゼンチンとナイジェリアの試合をテレビで見ていた若者2人が、
イスラム武装勢力に「サッカーはイスラムに反する」として射殺され、10人が逮捕された。
ソマリアではサッカーは人気スポーツ。しかし首都モガディシオのうち、イスラム武装勢力が支配する大半の地域では、
サッカーはキリスト教文化に属するとして、観戦やプレーが禁止されている。11日のW杯開幕直前、有力な武装勢力
ヘズブ・イスラムは「国際サッカー連盟のW杯とかいうものを見るのは許されない」と警告していた。
その恐怖にめげず、自宅でこっそり観戦していた若者らが、ヘズブ・イスラムの戦闘員の襲撃を受けて悲劇が起きた。
逮捕された10人はイスラム法で近く裁かれる。
今回の南アW杯では、モガディシオ出身のラップ歌手ケイナーンさんが、W杯公式スポンサーのコカ・コーラ社が催した
トロフィー巡回ツアーにあわせて、「ウェイヴィン・フラッグ」を歌い、世界中で人気を集めている。
http://www.asahi.com/international/update/0615/TKY201006150119.html