■ ドイツ・サッカー界で高まる緊張─国歌を歌わない代表選手
W杯の開幕まで残すところ数日となったが、多様な民族で構成されるドイツ代表チームの先発出場選手のうち、最近の強化試合で国歌を歌う(口パクを含む)者はほんの一握りだ。
第2次世界大戦以降、あからさまな愛国的表現を良しとしないドイツ国民は、選手が唇を動かさないことも、さして問題にしなかっただろう。
しかし、「皇帝」の愛称を持つサッカー界の重鎮、フランツ・ベッケンバウアー氏(64)が5月31日、国歌斉唱の拒否は認めないと発言したことをきっかけに、
この問題はにわかに注目を集めるようになった。
選手と監督の双方の立場でW杯優勝の経験を持つベッケンバウアー氏は、国内最大部数を誇る日刊紙ビルト・ツァイトングが設定した電話会議で、
「全員が国歌を歌うべきだ」とし、「スタンドや家庭で観戦しているファンが国歌を歌うのに、選手が歌わないといったことはあり得ない」と述べた。
ベッケンバウアー氏の発言は、ドイツのメディアで物議を醸した。ビルトは国歌を歌わない選手の氏名を明らかにしたが、これらの大半は外国の名前を持つ者だ。
同紙はまた、これらの選手がカンニングペーパーとして使うとされる索引カード大の歌詞カードを掲載した。
ドイツ代表チームのヨギ・レーブ監督は2日、ビルトに対し、選手が歌いたくないのであれば強制はしない、との意向を伝えた。
同紙は「選手はドイツ代表チーム、およびドイツと一体だ。しかし、彼らの文化を考慮する必要がある」との監督の発言を伝えた。
ドイツ・サッカー協会は、監督はコメントには応じない、と発表した。
(容量の都合により以下省略)
詳細はソースで
http://jp.wsj.com/Life-Style/node_67873