政府・与党は、16日までの国会会期を2週間程度延長する方向で最終調整している。
参院選の日程もこれに伴い、「6月24日公示・7月11日投開票」から「7月8日公示・同25日投開票」に
ずれ込む見通しだ。菅新首相(民主党代表)の指示に基づくものだが、参院民主党からは「会期延長は
参院選で不利になる」と懸念する声が出ており、菅氏は難しい調整を迫られそうだ。
国民新党代表の亀井郵政改革相は5日、「郵政改革法案の成立を期す」と記した連立政権合意書を菅氏と
交わしたことに言及し、「(郵政法案の)今国会成立は当然だ」と述べ、菅氏も会期延長を受け入れるとの見通しを
示した。名古屋市で記者団に語った。
菅民主党が会期延長に傾いているのは、郵政法案の成立を求める国民新党の意向を受け入れることで、
同党との連立の枠組みを維持する狙いがある。国民新党内には「郵政法案が成立しなければ、連立を離脱
する」との強硬論もあり、民主党幹部は「社民党の連立離脱が鳩山政権の崩壊につながった。国民新党が
離脱すれば、新政権のダメージは計り知れない」と語る。
また、会期延長の場合、国家公務員法等改正案をはじめ、他の重要法案の成立も期待され、参院選で
実績をアピールできるとの利点もある。
これに対し、夏の参院選で改選を迎える民主党の参院議員からは、「新政権への期待と熱気が冷めな
いうちに、早めに選挙に臨み、勝負に出るべきだ」と会期延長に反発する声も少なくない。
会期を延長すれば、菅氏や、新閣僚が国会で答弁する機会が増えるのは確実で、「野党の厳しい追及に
しどろもどろになり、ボロが出れば、新政権へのご祝儀相場の人気もしぼんでしまう」と懸念しているためだ。
「改選組」は、「7月11日」に照準を合わせて、準備を進めている。「選挙期間が1週間延びると、経費が
約1000万円余計にかかる」など、資金面の理由を挙げる向きもある。
(2010年6月6日01時49分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/news1/20100605-OYT1T00703.htm