掲示板サイト「2ちゃんねる」(2ch)の実況サーバがこのほどリプレースされた。ハードの故障な
どで能力がピーク時の半分以下に落ちていた旧サーバ群を、SSDを採用した1台のスペシャルサーバに
統合。間もなく開幕するサッカー・ワールドカップという「絶対に負けられない戦い」に臨む。
実況サーバ(「実況鯖」とも)は、テレビ視聴やスポーツ観戦などと同時にコメントなどを書き込
むための「実況」系掲示板を支えている。人気番組やビッグイベントでは短時間に書き込みが集中す
るという特殊な条件に対し、これまでは「最強」とうたわれた最大11台の通称「雪だるまサーバ群」
で対応してきた。
ところがハードの故障・引退が続き、能力は往事の半分以下に落ち込んでいたという。昨年9月の
「天空の城ラピュタ」再放送時には肝心の「バルス」前にあえなく陥落し、5月5日のNHK-FM「アニソ
ン三昧」、30日のサッカー・日本対イングランド戦という実況的大イベントでも断続的にダウン。
「住民からは『鯖』ではなく『鰯』だと揶揄されていた」(ある名無しさん)という。
このため始動したプロジェクト「新作戦『一羽の鴎』」では、11台の実況系サーバを1台に統合。
新サーバ「live28.2ch.net」として、各「番組ch」など実況26板が収容された。
2chサーバを提供するBIG-server.comによると、Core 2 Quad Q9550&8Gバイトメモリによる
FreeBSD+Apacheサーバで、SSD(80Gバイト)を採用しているのが特徴だ。2chサーバはSSDサーバへ
のリプレースを順次進めており、live28はSSDサーバの7号機。これまでのノウハウから、データは
SSD、システムはHDDというハイブリッド構成とした上、突発的なアクセス増大に対応できる実況向け
スペシャルセッティングも施されている。ネットワークは1Gbpsの完全帯域保証だ。
まず乗り切るべき当面の大イベントはW杯。この結果を踏まえて微調整を行い、さらなる新サーバ
の投入も検討するという。カモメ(鴎)だからなのか、運営側は新サーバを「海のものとも山のもの
ともつかぬ」と考えているとかで、従来のサーバ群も当面残す。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1006/01/news091.html