部活動をする子ほど、食事に気をつけないと、丈夫な骨が作れない――。
大分県立看護科学大の岩崎香子(よしこ)助教(生体科学)の調査で、こんなデータが浮かび上がっ
た。岩崎助教は「成長期だからこそ、運動に見合うカロリー摂取が大切」と呼びかけている。
岩崎助教は2006年4月から08年3月にかけて、大分市の特定の中学校の1、2年生計320
人を対象に、踵(かかと)の骨量を追跡調査した。
その結果、生徒の大半は岩崎助教が計算した1日の必要カロリー摂取量を下回り、男子の20%、
女子の8%が前年より骨量を減らしていた。そのうち男子は約9割、女子は約7割が、部活動で日常
的に運動をしている生徒だった。
骨は適切な運動で刺激を受けることにより、丈夫になるとされる。骨量の増加率は、男性が13〜
15歳、女性は10歳頃をピークに、以降は徐々に鈍り、20歳以降はほとんど増えない。
運動をしている中学生の1日当たりのカロリー摂取目標は、男子が2500〜2750キロ・カロ
リー、女子は2250〜2550キロ・カロリーとされる。骨量が減った生徒は、必要摂取量に届か
ず、2年間で不足幅も広がっていた。
食事内容を見ると、魚介類よりも、脂肪分が多い肉類を食べる傾向があった。3大栄養素でも、た
んぱく質と脂肪は十分だが、ご飯やパンなどの炭水化物は、男子が必要摂取量の80〜87%、女子
も80〜90%だった。野菜や豆類も少なく、カルシウムも不足していた。
岩崎助教は「身を犠牲にして運動している状態。家庭でも子どもの食事に注意してほしい」と指摘
している。(松下宗之)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100526-00000718-yom-sci