“合議アルゴリズム”を搭載した「Bonanza」の後継ソフト「Bonanza Feliz」が公開
将棋ソフト「Bonanza」の後継となる「Bonanza Feliz」が、11日に公開された。Windows Vistaに
対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 7でも動作を確認した。現在、作者のWebサイトや
窓の杜ライブラリからダウンロードできる。なお、無断で営利利用することは禁止されている。
「Bonanza Feliz」は、第16回世界コンピュータ将棋選手権(以下、選手権)で優勝した将棋ソフト
「Bonanza」をベースに思考ルーチンの改良を施すとともに、“合議アルゴリズム”と呼ばれる手法を
取り入れている。
“合議アルゴリズム”とは、複数の思考ルーチンによる判断を加味して着手を決定するアルゴリズム。
具体的には、乱数によって指し手の評価関数をばらつかせて個性をもたせた「Bonanza」を複数生成し、
それらの多数決により次の指し手を決定する。生成されたそれぞれの「Bonanza」は並列処理が可能で、
複数のPCを繋いでクラスター化させることもできる。
同アルゴリズムを初めて応用し第19回選手権に臨んだ将棋ソフト「文殊」は、8コアのCPUを搭載した
PC3台を利用して4コアにつき1つ、合計6つの「Bonanza」を並列実行させることで“合議”を行い、
本家「Bonanza」の5位を凌ぐ3位を獲得した。
「Bonanza Feliz」は、「Bonanza」にこの「文殊」を取り込んだもの。「文殊」の合議アルゴリズム自体も
改良が進んでおり、複数の「Bonanza」により提出された候補手の単純な多数決ではなく、その評価値の
合計がもっとも高い候補手を選び出す“楽観的合議アルゴリズム”が採用されているという。
http://www.forest.impress.co.jp/docs/news/20100518_367755.html