鍋島家の重臣 神代家文書目録を刊行 島原の乱など 未公開260点収録 財団法人「鍋島報效会」
佐賀藩鍋島家の重臣・神代家(くましろけ)の未公開史料をまとめた「神代家文書目録」を
佐賀市の財団法人「鍋島報效会(ほうこうかい)」が刊行した。所蔵の関係文書全260点の目録を収め
同家や佐賀藩の歴史を知る上で特に貴重とされる121点を翻刻(ほんこく)。同家の歴史や文書の
内容を分かりやすく説明した解説文もあり、同会は「調査・研究用としてだけでなく
佐賀の歴史を知る一助として、多くの人に活用してほしい」としている。
佐賀藩で神代家は小城、蓮池、鹿島の3分家に次ぐ家格(かかく)「親類(しんるい)」に位置した。
文書は中世から近世期の幅広い史料群で構成。「中世」「家」「島原の乱」「長崎警備」「由緒」「戦功」など
10項目に分け、文書を紹介している。
このうち、島原の乱(1637−38)では乱終結後、藩主鍋島勝茂が神代常親にあてた「覚」に
原城攻めで鍋島家が“抜け駆け”の軍律違反に問われ、江戸幕府方の総大将だった
老中・松平信綱などに相談した様子が記された。また、長崎警備では1673年の英国船リターン号の長崎来航
対処策や警備内容の他言禁止を命じた文書などがある。
佐賀市松原2丁目の鍋島報效会で千円で販売している。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/171487