電子書籍や音楽、動画をダウンロードして楽しめる米アップル社の新型マルチメディア端末「iPad(アイパッド)」。
28日の国内発売を控え、首都圏では予約に長蛇の列ができるほどの人気ぶりだが、15日現在、
県内では店頭販売の予定がなく、消費者から「またもや都市部と地方の情報格差が広がる」とため息が漏れている。
「iPad」は無線LANでインターネットに接続するタイプと、無線LANと携帯電話回線が使えるタイプの2種類がある。
このうち、携帯電話回線が使える「Wi−Fi+3Gモデル」の国内販売は、ソフトバンクモバイル(ソフトバンクの子会社)が手掛けるが、
店頭販売されるのはソフトバンク直営の16店と家電量販店約160カ所に限られ、この中に県内の店舗は含まれていない。
同社の広報担当者は取材に対し「今回はアップル指定店舗のみでの販売となる。販売店のない地域の人にはご不便をおかけします」と答えた。
また、無線LANのみのタイプはアップル社が運営するインターネットショップで購入できるものの、
こちらも県内での店頭販売は現時点で予定されていない。アップルジャパンは、本県で今後販売される可能性もあるというが、詳細は未定だ。
青森市内の、あるソフトバンクショップでは、iPad発売を発表した8日から数日間、「予約はできるのか」
「料金はどれくらいか」などの問い合わせが1 日10件ほどあった。店長は「県内のショップでは取り扱わないと伝え、
(最寄りの店として)盛岡市の家電量販店などを紹介した」という。
人気の新端末を手にとり購入できない事態に、八戸市の自営業女性(45)は「県内で買えないのには驚いた。
書店がどんどん減っている地方でこそ、電子書籍端末にもなる商品の意義は大きいはずなのに…。
ネットで買えるといっても、高価なものだし、やはり実物に触れてから買いたい」と不満顔だ。
鶴田町でパソコン関係の仕事に携わる男性(30)は「仕事で使う書類を電子化しているので、
iPadに入れて持ち歩けば便利だと思った。県内で店頭販売されないのは残念と言えば残念だが仕方がない」と話す。
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2010/20100515160501.asp?fsn=eb33f76037153e93cde084f7e7644d6f