最強の生物 クマムシの謎に迫る ゲノム解読し本格分析へ
カラカラに乾燥しても生き延び、高温や超高圧の極限環境に耐える不思議な生物がいる。微小動物
「クマムシ」だ。日本の研究チームがゲノム(全遺伝情報)を解読し、驚異的な能力の謎の解明に乗
り出した。“史上最強”の生物から、地球外生命の手掛かりも得られるかもしれない。(長内洋介)
東大大学院の国枝武和助教(極限生物学)の研究室。顕微鏡をのぞくと、半透明の体に短い脚で、
もぞもぞと歩くクマムシが見えた。その様子がクマに似ていることが名前の由来だ。
体長は1ミリ足らずで、脚は8本。ムシといっても昆虫ではなく、ゆっくり歩くことを意味する
「緩歩動物」という独立のグループに分類される。陸や海などに約1千種が生息し、身近な場所では
道端のコケの中に潜んでいることが多い。
生物に水は不可欠だが、クマムシは乾燥しても平気だ。水分を失うと体が「たる」のような形に収
縮し、「乾眠」と呼ばれる仮死状態に入る。生命活動を示す代謝は検出されず、死んだように見え
るが、水を与えると何事もなかったかのように“蘇生(そせい)”して歩き出す。
「乾眠状態は生きているのでも、死んでいるのでもない第3の姿で、『潜在生命』と呼ばれる」と
国枝助教。飲まず食わずの乾眠に耐えた最長期間は9年、凍結保存の場合は20年後に復活した記録もある。
乾眠状態のクマムシは、極限環境に耐える驚異的な能力を持つ。151度の高温、ほぼ絶対零度の
極低温、深海底よりはるかに高圧の7万5千気圧など、普通の生物は死んでしまう厳しい環境でも生き延びる。
(続きはソース参照)
http://sankei.jp.msn.com/science/science/100517/scn1005170749002-n1.htm