米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を巡り、鳩山由紀夫首相は13日、「沖
縄の負担を全国で分かち合う」との理想を47都道府県の知事に問いかける姿勢を打ち出
した。自ら設定した5月末決着を断念し、「退陣論」も取りざたされる中、6月以降も関係自
治体や米政府との交渉を継続する切り札として「負担分散」を訴え、全国民に責任の共有
を求める戦術。全国規模で踏み絵を迫る意味を持ち、「続投」への理解を得られるか、大
きな賭けに出たといえそうだ。
「沖縄の基地負担を少しでも軽くしたい。全国の知事の皆さんに協力を求めたい」。13日
昼過ぎ、首相官邸。鳩山首相は全国知事会長の麻生渡福岡県知事に知事会の緊急開催
を要請した。知事会は27日に東京都内で開かれ、首相自らが出席する方向。13日配信
の鳩山内閣メールマガジンでも「基地問題は国民全員で考えていかなければならない。
すべての国民に理解いただき、負担を分かち合う気持ちを持っていただければ」と投げ掛
けた。
政府はこれまで沖縄県内や鹿児島県・徳之島に絞って移設先を検討してきたが、地元
は強く反発。5月末決着は不可能となり、首相は13日午前、記者団に「6月以降も詰める
必要があるところがあれば努力する」と表明した。しかし、ただ先送りしただけでは「職を賭
す」とまで言ってきた首相の責任論は免れない。交渉を継続する意義として、嘉手納基地
(沖縄県嘉手納町など)の戦闘機部隊などの訓練を全国の自衛隊基地などに分散させる
「負担軽減パッケージ」を打ち出した。
http://www.excite.co.jp/News/politics/20100513/20100514M10.080.html