有明海の幸 レトルトに 柳川の鮮魚店
有明海の幸をより広く、手軽に楽しんでもらおうと、福岡県柳川市稲荷町の鮮魚店「夜明茶屋」が、
タイラギやムツゴロウをレトルトパックに入れて常温保存できる新商品を売り出した。
同店を営む金子英典さん(41)は「多くの人に食べてもらって、おいしさを知ってもらいたい」と話している。
新商品は、タイラギの貝柱の回りにあるビラ(外套(がいとう)膜)を煮付けた「びらびら醤油煮」(200グラム)、
ワケノシンノス(イソギンチャク)をみそ煮した「有明海の黄門様」(130グラム)、
夏ばて防止にも効果があるとされる「むつごろう甘露煮」(5匹)の3点。
価格はいずれも1575円。
商品開発のきっかけは、観光客の「鮮魚は(冷蔵が必要で)持ち帰りにくい」「調理法が分からない」といった声。
約1年間常温保存できるため、お土産や贈答用にぴったり。
常温でも、電子レンジで温めてもおいしく、おかずだけでなく酒のさかなにも合いそうだ。
かつて宝の海と呼ばれた有明海では不漁が続く。
「水揚げが激減した有明海の現状も知ってほしい」(金子さん)との思いも込め、
新商品のパッケージには大漁旗をデザインした。
3商品は県と筑後地区7市でつくる「筑後地域雇用創造協議会」が取り組む「九州ちくご元気計画」の商品化第一弾でもある。
地域の豊富な特産品や観光資源などを生かした商品を考案し、新たな雇用にもつなげる狙いだ。
夜明茶屋のほか、JR久留米駅でも販売。夜明茶屋。
=2010/05/13付 西日本新聞朝刊=
ttp://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/171207