キンメの「脂」数値化 伊豆漁協…静岡
ブランド力アップ期待
静岡県東伊豆町の伊豆漁業協同組合稲取支所は、キンメダイの脂肪率を近赤外線を使って測定する機械を導入した。
これまでは実際に食べてみなければわからなかった「脂ののり」を数値化することで、
伊豆のキンメダイのブランド力のアップにつなげられればと、地元では期待が高まっている。
近赤外線の測定器は、県水産技術研究所(焼津市)が開発した。
ヘアドライヤーに似た測定器をキンメダイの胸びれの付け根付近にあてがい、赤色のハロゲンランプの光を当てる。
跳ね返った光のうち、近赤外線の波長を調べると脂肪の含有率がわかる――という仕組み。
果物の酸味や甘みを測定する方法と同じ原理だという。
同研究所によると、キンメダイの脂肪率は季節によって変動するが、おおむね4〜5%で、
10%前後だとおいしいと感じる人が多くなるという。
伊豆漁協稲取支所は、4日に行った「水産祭」で測定器を一般公開した。
イベントでは用意した6匹のキンメダイのうちどれが脂肪率が一番高いかを当てるクイズが行われ、参加者に投票してもらった。
実際に測定器を使って6匹の脂肪率を測り、一番高いものは19%もあった。
正解した千葉県習志野市の相崎美代子さん(35)は、「目利きの方法の一つとしてはわかりやすいのでは」と話していた。
同漁協は、「脂ののったキンメを」などの注文が入った場合に、水揚げされたキンメダイの中から測定器を使って
適当なものを選び出すなど、今後測定器を活用する方針。
同漁協の佐藤紀男専務理事は、「関東のすし店や料理店などからは『脂肪率が10%程度のキンメダイがほしい』との注文が入る。
ブランド化に向けて努力したい」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/business/20100510-OYT8T00679.htm http://www.yomiuri.co.jp/photo/20100510-150988-1-L.jpg