ゾウは怒ったハチの羽音が苦手、音声で仲間に避難を促すことも
怒ったハチの羽音を聞くと、ゾウはうなり声をあげ、仲間に避難するように警告を発する――。
こうした研究が26日、オンライン科学誌「PLoS ONE」で発表された。
英オックスフォード大学(Oxford University)、動物保護団体「Save the Elephants」、
ディズニー(Disney)のアニマル・キングダム(Animal Kingdom)の研究チームによると、
ゾウはハチの羽音を聞いて逃げるだけでなく、ハチがいない状態でもうなり声を聞くと避難するのだという。
この事実は、現在ケニアで続けられている調査で明らかになった。
オックスフォード大動物学部のルーシー・キング(Lucy King)氏率いる研究チームは、
録音しておいた怒ったハチの羽音をゾウの家族に聞かせ、反応を調べた。
その結果、ゾウは羽音を聞いて逃げ出すだけでなく、頭を振るなどの動作とともにユニークなうなり声を発することがわかった。
うなり声を上げることは、恐怖への反応であるだけでなく、経験の少ない若いゾウへ危険であることを教える役割をもっている可能性があるという。
ただ、ハチ以外の脅威への反応としてうなり声を上げるのかどうかについては、はっきりしていない。
アニマル・キングダムのジョセフ・ソルティス(Joseph Soltis)博士は、
「このうなり声による呼びかけは、舌や唇の位置を変えてさまざまな母音を発音している人間と同じように、
ゾウもさまざまな音声を発音しているかもしれないという、興味をかきたてるものだ」と語った。
大人のゾウは、分厚い皮膚をしているにもかかわらず、目の周りや鼻などをハチに刺されることがある。
また、子どものゾウは皮膚が薄く、ハチの群れに刺されて死亡することもあるという。
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2722246/5679900