中国向け「長崎鮮魚」ピンチ 4月の新制度で費用増
中国に空輸され、人気を集めている「長崎鮮魚」がピンチに立たされている。
2009年は57トンを輸出し、売り上げ1億4千万円と、07年比で3倍超に伸びた。
長崎市は多種類の鮮魚の輸出の成功に胸を張っていたが、4月から水産食品の輸出手続きが変わり、
検査の費用や手間が大幅に増える。魚市場関係者は「輸出自体が難しくなる」と困惑している。
市水産振興課によると、長崎の魚市場では05年11月に上海向けに鮮魚の空輸を始めた。
08年2月には現地に直売所も設置し、北京など中国各地に販路を開拓。現在は週3回空輸している。
ところが、中国が食品衛生基準を強化したなどとして、厚生労働省は昨年11月、輸出手続きの変更を決めた。
新制度は加工食品では2月に実施され、鮮魚は3月末までの猶予期間が設けられている。
新たな制度では、輸出する1魚種につき1枚添付する衛生証明書の発行者を、
輸出元の自治体から民間認定機関に切り替える。
長崎鮮魚の場合、これまで1魚種800円だった経費が2万6千円になる。
多い日で20魚種ほどを出荷しているが、そうした場合に従来なら
計1万6千円で済んでいたのが、52万円に跳ね上がる。
しかも、検査のために認定機関の担当者に市場に来てもらわねばならなくなり出張費まで支払うはめになる。
長崎魚市場を取り仕切る卸売業者「長崎魚市」の試算では、売り上げの4割が証明書だけで消し飛ぶという。
長崎県食品衛生協会でも割安に証明書を発行できるよう準備を進めているが、
それでも1魚種5600円かかる。
(続きは烏賊ソースで)
http://www.asahi.com/business/update/0321/SEB201003210017.html 依頼所24
>>1の続き
また、魚の鮮度を見た目やにおいで調べる検査は、市保健所が年1回実施するとしてきたが、
新制度では輸出の度に魚種ごとに必要になる。
長崎鮮魚の場合、午前5時に競りがあり、同10時には長崎や福岡の空港に運び込まれ、
その日の夕方には新鮮なまま上海の消費者のもとに届けられる。
毎回検査を実施することは時間のロスとなる。
新制度は、冷凍品のように1魚種を1度に大量に船積みする場合を想定しているとみられる。
だが、鮮魚の場合は「多魚種を少量ずつ」が通例であり、魚種ごとに検査と費用を求められては、成り立たなくなるという。
長崎魚市の呉永平総合企画部長は「5月の上海万博を控えてさらに成長が見込まれたのに、輸出自体が止まる可能性がある」と憤る。
長崎市議会は国に見直しを求める意見書を19日に採択した。
厚労省監視安全課は「実情に合うように、簡素化できるところは中国側と協議して対応したい」としている。
空輸に向けて進む鮮魚の荷造り。長崎鮮魚は上海ではブランドだ
ttp://www.asahicom.jp/business/update/0321/images/SEB201003210020.jpg