ITシステム会社「トランスデジタル」(民事再生手続き中)をめぐる架空増資事件で、
別の脱税事件で起訴された投資事業会社元役員の鬼頭和孝被告(35)が、
トランス社が2007年に実施した増資で約20億円を出資したことをきっかけに経営権を握ったことが、
捜査関係者への取材でわかった。
警視庁は9日、鬼頭被告を金融商品取引法違反(偽計)容疑などで逮捕した。
鬼頭容疑者は、人材派遣大手の旧グッドウィル・グループによる企業買収を仲介した
「コリンシアンパートナーズ」の元役員。
買収に絡んだ巨額脱税事件で09年11月、法人税法違反容疑で東京地検に逮捕され、
その後、起訴されている。
捜査関係者によると、鬼頭容疑者は06年、ブローカー黒木正博容疑者(44)=金融商品取引法違反容疑で逮捕=と、
資金繰りに困っていたトランス社の乗っ取りを計画。
同社が07年1月と3月に実施した第三者割当増資で、約20億円を鬼頭容疑者が出し、
新株予約権の大半を2人が支配する投資事業有限責任組合が引き受けた。
これにより同社の発行株数の約半数を保有し、事実上経営権を握ったという。
2人は07年11月、同社に後藤幸英容疑者(44)を社長として送り込み、
立件された架空増資を主導したとみられる。
鬼頭容疑者らの逮捕容疑は、同社が08年7月29〜31日に実施した第三者割当増資で、
約9億円分の見せかけの増資をしたもの。
この架空増資の開始前日の28日夜、黒木容疑者や経営陣が社長室に集まり、
架空増資の手法などについて確認したという。
http://www.asahi.com/national/update/0309/TKY201003090205.html 依頼所101