55億を458万、投資会社 偽装工作か
旧グッドウィル・グループ(GWG)の会社買収を仲介した投資事業会社「コリンシアンパートナーズ」(東京都港区)の脱税事件で、コ社は決算関係書類に、買収の際に得た約55億円相当の株の価値を、1000分の1以下の458万円と過少に記載していたことがわかった。
東京地検特捜部は、こうした偽装工作により、取得した株の大半を収入から除外したとみて、コ社の資金の流れの解明を進めている。
GWGの開示資料などによると、コ社は2006年10月、ファンドを使って、GWGによる人材派遣会社「クリスタル」の買収を仲介。コ社はその分配金として約180億円とクリスタル株5680株(約55億円相当)を得た。
コ社は税法上、株価相当の約55億円を収入として計上しなければならなかったが、08年4月期の税務申告の基になる経理書類には458万円と記載したうえ、このクリスタル株を含む有価証券や貸し出し債権を香港企業に計1億円で売却したとも記載していた。
しかしこのクリスタル株は、東京国税局による08年10月の捜索で、法人税法違反容疑で逮捕状が出ているコ社元社長の公認会計士中村秀夫容疑者(52)(出国中)の自宅から見つかっており、1億円の売却の記載も虚偽の疑いがある。
この香港企業は、同容疑で逮捕されたコ社の元代表取締役鬼頭和孝容疑者(35)と関係が深く、鬼頭容疑者は読売新聞の取材に対し、「(中村容疑者から)『税金が払えないのでクリスタル株を転売したい』と言われ、香港から1億円送金した」と説明していた。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20091116-OYT8T00397.htm