半導体大手のNECエレクトロニクスとベンチャー企業の音力発電(神奈川県藤沢市)は、乾電池を使わない
リモコンの試作機を共同開発した。指でリモコンを押す際に生まれる振動を使って発電する仕組みだ。
すでにメーカーからの引き合いもあるといい、近い将来の実用化を目指している。
音や空気の振動を電気に変える「振動力発電」技術に強い音力と、NECエレが06年12月から開発してきた。
まず、リモコン操作でできる振動を、音力の部品で微少な電気に変える。これをNECエレのマイコンで制御し、
データをテレビに飛ばす。電源のオンオフ、チャンネルや音量の切り替えが、乾電池を使わずにできるという。
試作機のサイズは、横約7センチ▽縦約15センチ▽厚さ約3.5センチ。一般的なテレビのリモコンより、
一回りほど大きいのが課題だ。だが、電池を交換する必要はない。NECエレは「環境意識の高まりもあり、
電池を使わないリモコンへの需要は大きい。小型化を進め、11年にも実用化させたい」(担当者)という。
音力の速水浩平代表取締役も「将来はこの技術を歩数計や車の鍵などにも応用したい」と話す。
試作機は、18日からパシフィコ横浜で開かれる技術展覧会に出展する。(高田寛)
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