■マグネシウムを燃やして、エネルギー源にする
なぜマグネシウムが一般的なエネルギー源として使われていないかといえば、
マグネシウムを作るのに莫大なエネルギーをかけなければならないからです。
マグネシウムをエネルギー源にできるなど、誰も考えていなかったのです。
■太陽光を直接レーザーに変換する「太陽光励起レーザー」
レーザー核融合では、レーザーを使って数千万度の超高温を作り出します。レーザーがすごいのは、
時間的にも空間的にもエネルギーを集中できるということ。つまり、少ないエネルギーであっても、
一瞬だけ一点に集中させることで、大きな効果を得ることができるのです。
では、人が乗れるような飛行機を飛ばすには、どれだけの出力を持ったレーザーがあればよいのか。
どうしたらよいかと考えた時に思い当たったのが、太陽光をそのままレーザーに変換する、太陽光励起レーザーです。
クロムとネオジムを混ぜて焼き固めるだけですから、大量生産するのは簡単です。
■400Wの太陽光励起レーザーを今年中に実現
現在4uのレンズで集めた太陽光をレーザー媒質に当て、80Wのレーザーを出力できています。
80Wのレーザーでもステンレス板に一瞬で穴を開けるほどの威力があります。しかし、4uに当たる太陽光は
4kWですから、80Wというのは2%の変換効率でしかなく、このままでは商用化できません。
目標の出力は400Wですが、すでに目処はついており、今年中には達成できるはずです。
また、太陽光励起レーザーではこういうプラスチックレンズを使っているのですが、この設計を改良します。
レーザー媒質とレンズの改良を合わせれば、5倍の出力アップはそれほど難しくないと考えています。
■マグネシウム循環社会は、2025年に実現する
はい。宮古島の施設が成功したら、東南アジアの各所に同じような施設を作り、もっと大規模な実験を行う予定です。
うまく行けば、2025年頃にはマグネシウムをエネルギー源とした社会を実現できるのではないでしょうか。みなさんが考えるより、早いペースで進むと思っています。
WIRED VISION(全文はソースで)
http://wiredvision.jp/blog/yamaji/200907/200907031401.html