脳性まひによる重度の障害を抱える大阪市生野区の赤阪はなさん(21)が、就職活動に奔走している。
言葉によるコミュニケーションができず、体も自由に動かせない。それでも、「みんなと同じように働きたい」。
介護者にも支えられ、挑んだ企業は4年間で100社を超えた。長引く不況は障害者の雇用にも
暗く長い影を落としているが、企業に幾度断られても、「仕事をください」と明るく面接に臨み続けている。
はなさんは、生後まもなくかかった病気がもとで脳性まひになり、歩行や会話が困難になった。
常時介護が必要で、大阪市のNPO法人「障害者自立生活センター・スクラム」のスタッフや
友人らの付き添いを受けて生活を送っている。
大きな瞳と、周囲の人を癒やさずにはいられない明るい雰囲気。友人や教員にも支えられ、
地元の小、中学校から府立高校の定時制に進学した後、周囲が「一緒に過ごした友達と
同じように就職をしたい」というはなさんの気持ちをくみ取り、卒業を前に就職活動が始まった。
ペンや道具を持つことができないはなさんの面接は、まず「しごとください」と書かれた名刺を渡し、
できる仕事を採用者側と模索することから始まる。百貨店には「車イスの店員がいると、
障害を持つ客に親近感を持ってもらえる」とアピール。介護用品のメーカーには
「利用者としての視点が商品の改善につながる」と訴えた。職種を問わず100社以上の企業に挑戦したが、
そのたびに「接客や応対ができないと難しい」と断られた。
現在は各地の就職説明会に足を運びながら、説明会で出会った千里桃山保育園(大阪府豊中市)の
末広紀子園長のはからいで、保育スタッフとして週に1度園児の保育活動に参加している。
園児らには当初戸惑いもあったようだが、今では車イスを押し、食事を取るのを手伝ってくれるという。
末広園長は「園児にとっても、大切な経験につながっている」と話す。
(略)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090316-00000089-san-soci