中国・四川省東部のアバ・チベット族チャン族自治州で27日午後、
チベット仏教の僧侶がチベット独立を叫び焼身自殺を図ったところ、
治安部隊の発砲により死亡し、チベット問題をめぐる緊張が高まっている。
AP、AFP通信がフリー・チベット・キャンペーン(本部ロンドン)など
人権団体の情報を引用して伝えたところによると、発砲があったのは、
同自治州アバ県にある市場付近の交差点で、「タペイ」という名の
20代後半の僧侶がダライ・ラマの写真とチベットの旗を持ち、反中スローガンを叫びながら、
全身に石油をかぶって火を付け、焼身自殺を図った。この僧侶はその後、
治安部隊に銃撃され、移送先の病院で死亡したという。
今回の事件は、10日のチベット蜂起50周年と14日のチベット暴動1周年を控えた時期に起きた。
人権団体「チベットのための国際キャンペーン」のサウンダーズ広報担当は、
米ワシントンポストに対し、「警察が3回にわたり銃撃を加え、タペイは最初の銃撃で倒れた」と語った。
今回の事件が起きたアバ県では昨年3月のチベット暴動でも警察の発砲で
僧侶と人権運動家ら7人が死亡し、暴動を悪化させた。
一方、米自由アジア放送(RFA)によると、青海省海北チベット族自治州貴南県では2月25日、
僧侶100人余りが30分にわたりろうそく集会を開いた。また、チベット人権民主主義センターによれば、
四川省省カンゼ・チベット族自治州理塘県でも最近、大規模な独立デモがあったという。
中国は先月からチベット自治区を事実上封鎖し、隣接する四川省、青海省でも警戒を強化している。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、チベット自治区のラサで昨年起きた
暴動の中心地となったジョカン寺(大昭寺)の周辺では、商店の大半が営業を取りやめ、
午後8時以降は外出禁止令が下されているという。
http://www.chosunonline.com/news/20090302000015