金融危機と景気後退の深刻化で、世界の株式市場の株価が08年の1年間でほぼ半減する見通しとなった。米格付け
会社の調べでは、年初から11月までの世界の株価の下落率は46%に達している。市場からの資金の流出と、世界経済の
牽引(けんいん)役だった新興国の急落ぶりが際立っている。
格付け会社スタンダード・アンド・プアーズが世界47カ国・地域を対象に独自に調べた。株価は年初から11月末までに
全体で46.14%下落。年間の下落率は02年の19.58%を超え、前年対比での増減率の調査を始めた95年以来で最大
となる見通し。対象の国・地域すべてがマイナスとなるのも初めて。
なかでも新興国の急落ぶりが鮮明だ。ロシアが11月までに71.30%下落したのをはじめ、インドが67.98%、中国57.80%、
ブラジル57.50%の下落率を記録。高い経済成長率を背景に世界中から投資マネーが流れ込んでいたが、金融危機によって
損失を被った投資家が資金を一斉に引き揚げ始め、株価の大暴落につながった。
国・地域別の下落率トップは通貨が暴落したアイスランドで、99.37%の下落。ロシア、アイルランド(マイナス69.86%)、
ベルギー(同68.78%)と続き、全体の3分の2以上の32カ国・地域が5割以上の下落となった。
日本はマイナス34.50%で下落率はモロッコに次いで2番目に小さい。金融危機の震源地の米国は39.60%の落ち込みで、
いずれも07年から株価が低迷していた分、新興国と比べると下落率が小さく見える結果となった。
9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)後、金融システムへの不安が高まり、株価下落に拍車をかけた。
調査の担当者は「市場は先行きの見えない不安感に包まれており、来年も不安定な相場が続くだろう」とみている。
http://www.asahi.com/business/update/1222/TKY200812220262.html