【オランダ海軍フリゲート艦上(ソマリア沖)=角谷志保美】国際海事局海賊情報センター(クアラルンプール)は26日、
インド海軍艦艇が今月18日にソマリア沖で撃沈したと発表した「海賊の母船」が、
実際には海賊に乗っ取られたタイの漁船だったことを明らかにした。
武装した海賊が乗船していたため、海賊船と誤認した可能性が高いという。
撃沈された船の乗組員の一人が、4日間漂流した後に救助され、海賊による乗っ取りと撃沈の経緯を証言。
船主が同センターに通報した。他の乗組員十数人は行方不明。
同センターなどによると、タイの漁船は18日にアデン湾で海賊に乗っ取られた後、
行方不明となり、周辺海域で海賊警戒を行う北大西洋条約機構(NATO)の艦船などが捜索していた。
海域で活動する米国中心の連合任務部隊やNATO艦船は、海賊被害情報を共有していたが、
インドは情報網に入っておらず、漁船の乗っ取り事件を知らなかった可能性があるという。
海賊取り締まりにあたって、多国籍の艦船が活動する海域での情報共有のあり方が、課題として浮上してきた。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20081126-OYT1T00600.htm?from=navr