IMF(国際通貨基金)は、金融危機に陥っているウクライナに数日中に代表団を派遣する方針だ。
ウクライナの銀行業界は、金融危機の余波を受け、破綻(はたん)の危機に陥っており、
中央銀行が同国通貨グリブナを買い支えざるを得ない状況が続いている。
ウクライナ政府は、10月に入り、約98億グリブナ(約1935億円)と、
9月の2倍の資金を銀行に注入している。
これを受け、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、
同国の銀行の格付けを「ネガティブ」に引き下げた。
また、グリブナは10月に入り6.3%下落し、
国債の債務不履行による損失を防止するためのコストは記録的に上昇している。
IMFが派遣する代表団のバァラッツ・ホルバス氏は、
ハンガリーの首都ブダペストでインタビューに答え、「(ウクライナの首都)キエフに、IMFのチームが赴き、
近年の発展と今後の課題に関して議論を交わすことになるだろう。
ウクライナは現在、経済危機に陥っているわけではないが、
起こりうるすべてのシナリオに関して想定することは賢明だ」と語った。
同国の第一副首相は、金融市場を安定化させるため、
IMFから「制度的な援助」を望んでいると語った。
国内銀行の3行が破綻したアイスランドでは、
IMFの援助を得ることで、他国からの融資を受けられるようになることが望まれている。
また、ハンガリーに対してIMFは13日に「必要とあらば」援助を行うことを表明した。
ウクライナもこれに続く可能性がある。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジスト、ウィン・シン氏は電子メールで
「今回の危機は、IMFが国際金融の舞台での立場を再確認する機会だ」との考えを示し、
「多額の経常収支の赤字または外債を抱える新興国はとても損害を受けやすい」と分析した。
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200810160020a.nwc