世界各地で愉快犯的に電車などへの落書きを繰り返している集団のメンバーとされるオーストラリア人男性4人が6月、
成田空港から国内に入ろうとしたところ、東京入国管理局で上陸を禁じられてそのまま帰国していたことがわかった。
集団は昨年1月に東京都内などで電車に落書きした疑いが強く、「公安を害する恐れがある」と判断された。
集団は、豪州の「Master Of Crime」(MOC)と名乗る団体。
警視庁組織犯罪対策2課などによると、豪州捜査当局から6月、「MOCのメンバーが日本に行って落書きする可能性がある」
と連絡があった。豪州当局が現地のMOCの拠点を捜索した際、昨年1月に日本の東京メトロの電車に描かれた落書きの写真が見つかったという。
(中略)
今回、MOCのメンバーとみられる男性4人が豪州から成田空港に着いたのは今年6月14日。警察当局や東京入管が
事情を聴いたところ、ノズルなど落書き用の道具を持ち、落書き目的で来日したことを認めたという。同入管は、入管法が
定める「日本の利益や公安を害する行為を行う恐れがあると認める相当の理由がある」などに当たるとして上陸禁止措置をとった。
4人は「日本は警備が緩く、自国や英国などに比べて標的にしやすい」と入管などに話したという。4人のうち1人は、昨年1月の
一連の落書きに関与した疑いが強いという。メトロの車両の落書きが続いていた時期の昨年1月12日には、MOCのメンバーが
滞在していた世田谷区の住宅で、過熱したスプレーが爆発して2人がけがする火災も起きていた。
MOCはインターネットなどでメンバーを集め、自分たちの絵の技量をひけらかすことに主眼を置き、政治性や思想性は低いと
警視庁などはみている。東京新幹線車両センター(東京都北区)では7月1日、上越新幹線の車両側面に「Hack」などと
書かれているのが見つかり、運行をとりやめる騒ぎがあった。これについては署名がないことなどからMOCによるものとは違うと同庁はみている。
http://www.asahi.com/national/update/0712/TKY200807120160.html 代々木上原駅近くに止めた千代田線の車両で見つかった落書き
http://www2.asahi.com/national/update/0712/images/TKY200807120165.jpg http://www2.asahi.com/national/update/0712/images/TKY200807120166.jpg