フランスがNATO復帰へ、14年ぶりに国防白書を作成
フランス大統領府は16日、国防白書を発表し、北大西洋条約機構(NATO)の軍事機構への復帰を明言した。
仏はドゴール大統領時代の1966年にNATO軍事機構から脱退していた。
文民も合わせた国防省の定員を今後6―7年で現在の32万人から5万4000人削減する方針も示した。
仏が国防白書を作成するのは14年ぶり。
白書は情報戦の重要性を指摘し、電子システムの破壊などへの対策を専門とする新組織の設立も打ち出した。
情報収集能力の強化を狙いに軍事衛星関連の予算も増やす。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080617AT2M1700C17062008.html ―――経済新語辞典
http://bizplus.nikkei.co.jp/shingo/3735.html NATO(北大西洋条約機構) なとー
共産主義の脅威に対応するために生まれた西側の軍事機構。1949年4月に「北大西洋条約」に基づき発足した。
原加盟国は米国、カナダの北米2カ国と、欧州10カ国の計12カ国。ソ連崩壊後は東方拡大が進み、現在は26カ国が加盟する。
加盟国が1カ国でも攻撃されれば全加盟国への攻撃と見なし、集団的自衛権を行使する「集団防衛条項」
(北大西洋条約第5条)が基盤。最高決定機関は外相、国防相で構成する北大西洋理事会。
戦略上の最高機関として北大西洋軍最高司令部(本部ブリュッセル)がある。歴代事務総長には慣例的に
欧州出身者が就任。現在はオランダ元外相のデホープスヘッフェル氏(2004年就任)が務める。
実質的には米国が主導しており、路線を別にしたフランスが軍事機構を脱退したこともある。
東西冷戦の終結とともにNATOの役割は大きく変化。存在意義を問われてきたが、近年は国際貢献に主な活動の場を移す。
アフガニスタンでの対テロ作戦でも陣頭指揮をとる。ロシアとの対話も促進しており、枠組みとしても
「NATO・ロシア合同理事会」などがある。ただ、旧ソ連諸国のNATO加盟にはロシアは警戒心を募らせている。
日本政府もNATOとの対話強化に力を入れており、07年1月、
安倍晋三首相が日本の首相として初めてNATOの北大西洋理事会で演説した。