青梅市は11日、生活保護費の横領や紛失を繰り返していたとして、契約管財課の
松橋佐斗史主事(42)を懲戒免職処分とした。被害額は約180万円に上る見込み
で、市は業務上横領容疑で刑事告訴を検討している。昨年2月の紛失発覚後も横領を
見逃すなど市の対応には甘さが見られ、これまで公表もしていなかった。竹内俊夫市
長は「市民の信頼を失墜させ、心からおわびします」と謝罪した。
松橋主事は事実関係を認め、「先物取引などでできた借金返済に充てた」と説明し
ているという。
市によると、松橋主事はケースワーカーとして00年10月〜06年9月、福祉総
務課に在籍。06年4月、受給者2人に渡すべき保護費の一部計約19万円を紛失し、
昨年2月に受給者側の問い合わせで発覚した。現金は自宅で見つかったといい、減給
5分の1(6カ月)の懲戒処分を受けた。
昨年5月には、さかのぼって年金を受け取れるようになった受給者から05年11
月に返還された保護費150万円の横領も発覚。05年当時にも、不審に思った上司
から指摘されたが領収書を偽造し、「受給者に返した」と説明するなどして発覚を防
いでいた。横領に伴う昨年9月の処分は停職6カ月だった。
松橋主事はほかに05年4月〜06年9月、受給者に渡す保護費の一部数万円と別
の受給者からの返還金3万円を横領した。市は昨年の処分後に調査したが、この2件
を見落とし、今年5月の都の調査で判明した。竹内市長は「調査が不十分だった」と
認め、昨年の2回の処分を公表しなかったことについては「市の公表基準に該当しな
かった」と説明。150万円の横領で停職にとどめたのは、被害者の意向も考慮した
ためという。
市の内規では、ケースワーカーは金銭を扱わず、経理担当者に任せることになって
いる。管理者責任を問い、竹内市長を減給5分の1(3カ月)、当時の上司ら5人を
同10分の1(2カ月)とする。【川崎桂吾】
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20080612ddlk13040401000c.html