全国で振り込め詐欺の被害が相次ぐ中、今年1月―4月の岐阜県民1人当たりの被害額
は128円で、全国ワースト4位になることが分かった。県内の今年1年間の被害総額も
ピーク時の2004(平成16)年を上回るとみられ、県警は「岐阜が狙われている可能
性もある。警戒を強めてほしい」と呼び掛けている。
県警捜査二課と生活安全総務課によると、今年4月までの都道府県民1人当たりの被害
額は、ワースト1位が215円の東京。2位は168円の神奈川、3位は133円の埼玉
で、岐阜はこれに次ぐ額だった。岐阜は10万人当たりの被害者数も8・5人とワースト
5位だった。
今年の県内の被害は5月末まで228件(前年同期比115件増)、約3億6000万
円(同2億2600万円増)。ピーク時の04年の被害額は約7億1300万円だが、
「今年はかつてないペースで被害が増えている」(捜査二課)のが現状。
振り込め詐欺の犯行グループは、東京を拠点に犯行を重ねているケースが目立つ。岐阜、
愛媛、愛知県警は先月末、9人グループの主犯の男を逮捕。グループは「還付金詐欺」の
手口で、岐阜を含む全国で1億円を稼いだが、電話の相手を選んだのが電話帳。無作為に
かけていたとみられる。
ここ数カ月間の県内の被害傾向を見ると、1日のうちに同じエリアでまとめて何件か被
害が発生しており、現在の詐欺グループも岐阜の電話帳から無作為に電話している可能性
もあるという。
県警は「人口の割に岐阜の被害が多額過ぎる。温厚な県民性もあるかもしれないが、岐
阜が狙われていると言っても過言ではない」と分析している。
県警は被害に遭わないための具体的な対策として、「オレオレ詐欺」などは家族や警察
に連絡相談し事実を確認する、「還付金詐欺」は携帯電話で話しながらATM(現金自動
預払機)を操作しない―などを挙げている。
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20080607/200806071028_4975.shtml