中国・四川大地震の発生から19日で1週間が経過したが、現地に進出する日系企業では、
成都にあるトヨタ自動車の四川工場が同日、操業を再開し、ほぼ復旧を終えた。
ただ、現地の被害は拡大の一途をたどっており、震源地付近で産出されるレアメタル
(希少金属)の供給不安など、世界経済に与える影響への懸念が高まっている。
震源地付近は、自動車用特殊鋼の副原料となるマンガンやバナジウムなどの
レアメタルの世界的な産出地で、日本はマンガンの大半を中国からの輸入に依存している。
合金鉄精錬に使うシリコンマンガンの現地加工工場からの供給は、物流の混乱で
ストップしたまま。大手鉄鋼メーカーでは、調達先の見直しなど対応に追われている。
レアメタルの輸入販売大手のアルコニックスは、特殊鋼向けタングステンや
ステンレス鋼副原料のモリブデンの大半を中国に依存。余震などに伴う2次被害が
被災地周辺に点在する調達先に及ぶ可能性もあるころから、「徐々に影響が出てくる」と懸念する。
供給不安から市況が上昇するという影響も出ている。双日によると、世界的に
需要が増大しているマンガンやバナジウムは、輸出先からの提示価格で地震前に比べ
10〜20%程度も値上がりしているという。同社では「実際の供給不足というよりも、
思惑買いで上がっているようだ」と分析する。
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http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/20/news034.html