【中国大地震】900人生き埋めの中学校に向い消毒液を散布、ろうそくをお供え
15日、生徒約900人が生き埋めになったとされる都江堰市の聚源(じゅげん)中学校では、
朝になっても救出作業は始まらなかった。「子供を置き去りにできない」。
地震発生から「72時間」が経過した午後も、生徒の親たちは手作業で懸命にコンクリート片を取り除いた。
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午前9時過ぎ。成都市の疫病コントロールセンターの白いワゴン車が到着。
遺体が多数埋まっている場合、感染症が発生するおそれがあり、
白衣を着た職員が校舎のがれきに向かってホースで消毒液の散布を始めた。
午前11時過ぎ、死者を弔う爆竹が鳴った。赤いろうそくが2本供えられていた。
生徒の親ら数人が、手作業でがれきを掘り返し始めた。「建物から離れなさい」。
警察官の指示で、がれきの前からいったん人が消えた。午後2時28分。発生から72時間が経過した。
直前に医師や看護師が姿を見せたが、早々に立ち去ってしまった。
「1、2、3!」。午後3時半、男性数人が再びがれきの撤去作業を始めた。
現場に散乱する金属製のタライにコンクリート片を入れ、バケツリレーのようにして運び出す。
時間とともに人が増え、夕方には20人近くになった。ほとんどの人は素手のまま。男性の指には血がにじんでいた。
「何の説明もなく救出を打ち切るなんて許せない」。解秀英さん(38)は涙ながらに憤った。
「スポーツが得意な子だった」。がれきの下にいるかもしれない2年生の息子、巴飛君(15)を丸3日、
思い続けている。近くでは、授業を休んでいて難を逃れた李力君(16)ら
3年1組の4人が死者に贈る紙銭を燃やしていた。
≪抜粋≫
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20080516k0000m030165000c.html http://mainichi.jp/select/world/europe/news/images/20080516k0000m030170000p_size5.jpg