爬虫類+鳥類+哺乳類=?
爬虫類+鳥類+哺乳類=カモノハシ?
オーストラリアに生息する哺乳(ほにゅう)類のカモノハシは、アヒルのようなくちばしをもち、
卵を産むが、体は毛で覆われ、母乳で子どもを育てる。
この「世界で最も奇妙な哺乳類」のゲノム(全遺伝情報)を英米豪や日本の理化学研究所の研究員らでつくる国際チームが調べたところ、
遺伝子も哺乳類、爬虫(はちゅう)類、鳥類の「パッチワーク」のようになっていたことがわかった。
8日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。
約100人の研究チームが、カモノハシのメスの約1万8500個の遺伝子を調べたところ、
オスのつめにある毒はヘビなどの爬虫類と同じたんぱく質だった▽性の決定にかかわる遺伝子は鳥類に似ている
▽哺乳類の特徴である母乳をつくる遺伝子がある、といった特徴があった。
研究チームの欧州生命情報学研究所のユアン・バーニー氏は「カモノハシは見た目と同じく、遺伝子も奇妙に混ざっていた」と
コメントしている。
進化の過程で、哺乳類が鳥類、爬虫類と共通の祖先から分かれたのは3億1500万年ほど前。
カモノハシは約1億7千万年前にヒトと共通の祖先から分かれたが、鳥類、爬虫類の特徴を持ち続けたと考えられる。
英オックスフォード大のクリス・ポンティング氏は「カモノハシのゲノムは、ヒトなどの哺乳類がどのように誕生したのかを探るうえでの
ミッシング・リンク(鎖の環(わ)の欠けている部分)だ」と指摘している。
04年に豪シドニー水族館で撮影されたカモノハシ。日本にはいない=同水族館提供
http://www.asahi.com/science/update/0509/images/TKY200805090104.jpg http://www.asahi.com/science/update/0509/TKY200805090094.html