「道路特定財源を09年度から一般財源化する」「見直すべきは大胆に見直す決意をした」――。
福田首相の捨て身の会見にもかかわらず、自民党道路族のドン・古賀誠選対委員長は「総理個人の提案でしょ?」と、すました顔で言い切った。
腹の底では「どうせ近く辞める総理。どうにでも変えられる」と思っている。実際、福田をあざ笑うかのように、古賀のお膝元では、利権道路の象徴ともいえる“誠ロード”が隆盛を迎えつつある。
●「誠大橋」に続き「誠ロード」が29日開通
古賀誠の地元・福岡で、29日、国交省所管の地域高規格道路「有明海沿岸道路」(総延長55キロ)が部分開通した。
福岡県大川市と大牟田市を結び、古賀の選挙区のど真ん中を貫く自動車専用道路だ。総事業費は2380億円。
案の定、古賀の利権にまみれていて、地元では“誠ロード”と呼ばれている。
01年以降の3000万円以上の入札結果を情報公開請求したところ、この道路工事の受注額は計425億円。そのうち、
着工前年の99年以降に古賀に献金した業者の受注額は185億円、全体の44%も占めていた。しかも、献金業者の落札率が
平均96%と異常に高いのである。
古賀の利権道路はまだある。通称“誠橋”こと「朧大橋」。民主党の菅代表代行に「ムダの象徴」とされた橋だが、
最も金額が大きい27億円の工事の落札率は99.86%だ。
古賀の威光といわれる福岡県所管の道路建設は14カ所、トータルの事業費は3312億円に上る。道路特定財源は
50〜55%つぎ込まれているが、やはり、これらの道路を受注した業者のうち、古賀に献金している業者は49社、
9000万円に達していた(主な献金業者は別表の通り)。
百歩譲って、地元の役に立っているならともかく、この“誠ロード”は悪評フンプンだ。ある地元住民がこう嘆く。
「地元の人は自動車専用道路なんて使いませんよ。下道を走っても、それほど時間は変わらんけんね。むしろ町に
下りてくる人が減って、商店街がさびれるかもしれないと、みんな心配しているくらいですよ」
それでも、誠ロードは2023年まで工事が続く。自民党の道路族が福田提案を歯牙にもかけないのも当然だ。
http://news.www.infoseek.co.jp/gendainet/society/story/01gendainet02036326/