含み損トヨタ1兆円 大幅株安で試算 設備投資手控えも
2008年3月18日
最近の大幅株安で企業が保有する株式に含み損が発生、トヨタ自動車の含み損が一兆円を超えていることが、
新光総合研究所の十七日までの調査で分かった。今年三月期決算で評価損を計上して業績の下方修正を迫ら
れる企業は、まだ一部にとどまるとの見方が多いが、株安が続けば設備投資の手控えなどにつながる恐れもある。
試算は、企業が保有する大口の株を昨年九月末の株価と今年三月十四日時点の株価と比較、含み損益額を推
定した。含み損はトヨタが一兆十二億円、NTTは六千百四十一億円、日立製作所も五千四百九十億円になったと
試算した。
会計上、評価損を計上するのは前期末と比べて50%以上価値が棄損している場合などとされており、総研の山
本光孝クオンツアナリストは「今年三月期決算への影響は限定的」と指摘。企業側も「基本的に保有株を放出する気
はないので、あまり気にしていない」(トヨタ広報部)と、静観している。
しかし、株価の低迷が長期間続くならば、会計監査の厳格化から、50%に達しなくても含み損を評価損として早期
に計上することを求められるケースも出てくるとみられる。山本氏は「中長期的には設備投資などに使う予定だった資
金が穴埋めに回されてしまう恐れもある」と指摘、経営の自由度を奪う恐れもありそうだ。
ソース:
http://www.chunichi.co.jp/article/car/news/CK2008031802096190.htm