幹部の不祥事が相次いだ部落解放同盟が、「再生」に向けた取り組みを進めています。
部落解放同盟の今を取材しました。
東京・千代田区の九段会館で開かれた部落解放同盟全国大会。
3日間の大会には10万人近い同盟員を代表して、全国から800人余りが参加。
大会では、「再生と改革」が最大のテーマとして掲げられ、組織のトップが涙ながらに決意を語りました。
<部落解放同盟中央本部・組坂繁之委員長>
「一連の不祥事は多くの先輩たちに本当に申し訳ない思いでいっぱいでございます。
しかし、この苦難を何としても乗り越えなければならない。そういう決意であります」
部落解放同盟をめぐってはおととし、大阪や奈良の支部幹部が次々に逮捕されるなど不祥事が相次ぎました。
こうした事態を受け解放同盟は、学者や弁護士で構成された外部委員会に、運動のあり方への「提言」を依頼。
およそ1年間の議論を経て去年12月、「提言」がまとめられました。
その内容は、運動のあり方は言うまでもなく、組織の体質を痛烈に批判するものでした。
【「提言」より】
「今回の不祥事はもとより過去の不祥事にさかのぼって検証しても、背景には行政と運動団体幹部の一部との癒着がある。
運動団体の中には『同和はこわい』という偏見に乗じて、
不当な私的利益・便宜供与の要求を行政に突きつける者たちも現れた。それが利権あさりに悪用される場合も見られた」
こうした厳しい指摘を組織のトップは、どう受け止めたのでしょうか。
<部落解放同盟中央本部・組坂繁之委員長>
「身を切られるような思いもございましたが、将来を憂いてかくあるべしと大変厳しい中にも血の通った『提言』をいただいた」
組坂委員長は組織の再生のために提言の重みを強調しますが、組織内部からは「異論」を唱える声もあがっています。
http://www.mbs.jp/voice/special/200803/06_12336.shtml