ミネラルウオーター原料水、国立公園内で無断採取
12月29日23時8分配信 読売新聞
大手食品会社「ネスレ日本」(神戸市)の関連会社(当時)で、山梨県西桂町の飲料水製造会社「富士アクア」が、
8年間にわたって自然公園法に基づく県への許可申請を行わずに国立公園内に取水施設を設置し、
ミネラルウオーターの原料水を採取していたことが29日、分かった。
山梨県などによると、富士アクアは1998年2月、富士箱根伊豆国立公園内にある町内の私有地に、
県に許可申請を行わないまま取水施設を設置、採取した水をボトル詰めし、ネスレが今年4月まで販売していた。
県は外部からの指摘で事実を把握し、今年7月に富士アクアを厳重注意した。
富士アクアは「施設は私有地にあるため、申請は必要ないと思った」と説明。設置当時、
西桂町の前田勝弘町長が同社の役員を務めており、前田町長は「ネスレに富士アクアを紹介したが、
実務的なことは分からない」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061229-00000115-yom-soci ネスレ側に山梨・西桂町、許可得ず湧水提供 厳重注意、異例の始末書
大手飲料食品メーカー「ネスレ日本」(神戸市)の下請け会社が富士山麓(さんろく)(山梨県西桂町)
の湧水を違法採取していた問題で、同町が県に対し、湧水の送水管を埋設するため県有地の使用許可を
申請した際、使用目的を公共用水の確保に限定し、無断でネスレ側に湧水を提供していたことが14日、
分かった。目的外使用は県条例違反に当たるため、県は町を厳重注意し、県有地の使用料の減免措置を
取り消す一方、町に始末書を提出させた。自治体が始末書を出すのは極めて異例。
富士山麓の湧水をめぐっては、ネスレの下請け会社が国立公園内で県の許可を得ずに取水施設などを
設置し、8年間にわたって違法採水を続け、県が平成18年7月、自然公園法に違反したとして同社を
厳重注意したことが明らかになっている。このほか、前田勝弘町長が役員だった会社が下請けに入る
など不透明な関係も浮上している。
関係者によると、町とネスレ、前田町長が役員を務めた下請け飲料水製造会社「富士アクア」(同町)
は9年7月、富士山麓の湧水について、災害発生時に町民の緊急飲料水として使うことを条件に、
ネスレ側だけに採水させることなどを取り決めた「覚書」を交わした。
ところが町は翌8月、湧水の水源から放流場所まで送水管を埋設するため、県に水源付近の県有地の
使用許可を申請した際、使用目的を「(町民の)緊急用予備飲料水の確保」とだけ記し、公共目的に
認められる使用料の減免措置を求めた。ネスレ側への湧水提供には一切、触れなかった。
県は10年2月に許可を出し、県行政財産使用料条例に基づき使用料を年間1万200円に減免した。
その直後から、富士アクアが湧水の提供を受けてミネラルウオーター「こんこん湧水」の製造を始め、
ネスレが同年3月から販売を始めた。
11年7月になって町民から指摘を受けた県は現地調査を実施し、湧水の目的外使用を把握。町を
厳重注意する一方、減免措置を取り消し、使用料を3万6960円に引き上げて過去にさかのぼって徴収した。
町は翌8月、前田町長名で「(湧水の)使用目的に一部誤りがあったことについて、陳謝申し上げる」
などと書いた始末書を県に提出した。
町民からは「町民の水が無断で営利目的に使われており、“盗水”ではないか」との批判が出ている。
最終更新:1月15日8時0分
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