警察の情報は筒抜け

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1名無しさん@1周年
共同通信ニュース速報

 「犯罪歴データは、現職時代の知り合いに電話一本で照会できる
。数分後には結果を教えてもらえる」。民間企業の総務担当を務め
る警視庁OBは、警察官による情報漏えいが水面下で半ば日常的に
行われてきた実情をこう明かす。
 警視庁が二十九日、現職巡査部長ら三人を逮捕した信用調査会社
への犯罪歴漏えい事件の背景には、長年にわたるこうした「悪い慣
行」が指摘される。
 信用調査業界では警察が管理する犯罪歴は「究極の個人情報」と
して扱われ、調査料は一件数万円が相場という。
 しかし、こうした個人情報は、都道府県警本部にある照会センタ
ーに連絡したり、警察署にある端末を操作することで、警察官なら
だれでも入手できる。
 警察OBが現職時代の部下らに、再就職先の会社などが抱えるト
ラブルの相手方のデータ照会を依頼してくるケースも多い。
 「以前は『犯罪歴照会などOBの頼みはできるだけ聞くように』
と言われていた。最近は情報管理が厳しくなったが、それでもOB
に頼まれると断りにくい」。現職の捜査員は実情を明かす。
 事件の舞台となった信用調査会社の社長を務める警視庁元警部補
は、普段から警察とのパイプを自慢。「氏名と生年月日が分かれば
銀行口座の中身まで照会できる」などと豪語していた。
 犯罪歴などの情報の入手や管理は逮捕された元警部補や役員が仕
切り、一般社員には詳しいことは何も知らせていなかったという。
 同社の元社員は「情報を漏らした現職警察官は、警察OBの社長
に無理に頼まれ協力させられていたようだった」と打ち明ける。
 都内で別の調査会社を経営する警視庁OBは現役時代を振り返っ
て「金が欲しくて情報を漏らすような警察官はあまりいないはず。
相手を信頼し犯罪歴などの照会に応じてしまうのがほとんど」と、
漏らす側の「罪の意識」の欠如を指摘した。
2名無しピーポ君 :2000/09/30(土) 19:17
◆警視庁OBが警察署訪れ端末操作


 警視庁の現職警察官が信用調査会社に犯歴情報を漏らしていた事件で、
地方公務員法違反(漏えいそそのかし)の疑いで逮捕された「東京シー
クレット調査会」社長で、同庁元警部補の堀内孝一容疑者(42)が、
かつての同僚が勤務につく休日や夜間に警察署を訪れ、自分で犯歴照会
のコンピューター端末を操作して情報を引き出していたことが三十日、
警視庁捜査二課の調べでわかった。
 堀内容疑者が元同僚からID(個人識別)を聞き出し、同僚らの知ら
ないうちに情報を引き出していたケースもあり、同課で厳しく追及して
いる。

 堀内容疑者は昨年一月から今年五月にかけ、尾久署の巡査部長、羽根
田俊二容疑者(52)に対して、九回にわたって犯歴情報などを調べて
もらうように依頼し、情報漏えいをそそのかしたとして、逮捕された。

 同課の調べによると、堀内容疑者は、休日や夜間など、上司の目が届
かない時間帯を狙ってかつての同僚が勤務する警察署を訪ね、元同僚の
IDなどでコンピューターで管理される犯歴情報にアクセスし、情報を
引き出していた。

 この端末操作は、堀内容疑者とつき合いがある元同僚ら十数人の犯歴
照会を調べた結果、本人が照会した記憶のないものや、堀内容疑者にI
Dを教えていた警察官がいたことなどから判明した。自分のIDが使わ
れていたことを知らなかった者もいたという。

 堀内容疑者は一九九七年十二月、警視庁を警部補で退職、翌九八年十
二月に同社を設立した。当時、堀内容疑者は会社運営を心配する知人に
対し、「現職警察官が協力してくれるので大丈夫」と、実名を挙げて自
信を示していたという。

 同社はインターネットで「民間警察」をうたい、依頼者には犯歴情報
を一件四万五千円で提供していた。
3パフィーら有名タレントの個人情報も 警視庁の漏えい
パフィーら有名タレントの個人情報も 警視庁の漏えい

 警視庁の現職警察官が犯歴データなど個人情報を漏えいして
いたとされる事件で、地方公務員法違反(唆し)容疑で逮捕さ
れた元警視庁警部補で「東京シークレット調査会」社長の堀内
孝一容疑者(42)は、複数の現職警察官を通じて有名タレン
トや話題の事件の容疑者らの住所や犯歴を入手していたことが
分かった。
 依頼者の多くは、別の調査会社や弁護士事務所で、調査会社
はマスコミなどから請け負った仕事を同社に下請けに出してい
たとみられる。

 地公法(守秘義務)違反で逮捕された尾久署地域課巡査部長
羽根田俊二容疑者(52)は、テレビの女性キャスターや有名
格闘家の免許証から住所や本籍地を調べたり、埼玉県本庄市の
保険金殺人事件の容疑者の犯歴を調べたりしていた。

 堀内容疑者はこのほかにも芸能人らの調査を請け負い、現職
警察官に依頼していた。キャスターの森本毅郎さんは戸籍から
都内の住所が調べられた。森本さんは「非常に不愉快。個人の
プライバシーを守るはずの警察の人間が、個人情報を漏らして
いるとは言語道断だ」と憤る。

 女性タレントは犯歴の有無を調べられた。「私を中傷するた
めに犯歴を調べようとしたのではないか」と話した。

 免許証から住所や戸籍を調べられていた歌手の茂森あゆみさ
んや、パフィーの吉村由美さんの事務所は「警察という信頼す
べき機関からプライバシーが流出したというのは残念。管理を
きちんとしてほしい」と口をそろえた。

http://www.asahi.com/0930/news/national30012.html