1996年11月、当時群馬県警の警部補だった大河原警部補(当時)は、捜査費の裏金作りを
経理担当職員や上司に抗議する。するとその4カ月後に報復人事に遭い片田舎の交番へ左遷される。
2003年7月、高知県警本部捜査第一課の捜査費裏金作り一覧表を地元紙が入手し、
紙面を使って執拗な追及を始めた。
これに衝撃を受けた警視庁は全国の警察に証拠書類の隠滅を指示した。
そして群馬県警はかつて警察の裏金に抗議した大河原警部補の尾行・監視を始めた。
2003年11月、報道番組「ザ・スクープ」が警察の裏金を報道し、反響が湧き上がる。
そしてかねてより群馬県警による裏金作りに抗議していた大河原警部補(当時)は「ザ・スクープ」による
警察の裏金を取り上げた第二弾番組への協力と顔を隠しての証言映像に臨む。
その際、大河原警部補は群馬県警による尾行・追尾を警戒してNシステムに自分の自動車のナンバー
プレートが映らないよう、紙にナンバープレートをコピーしそれをナンバープレートに張り番組への協力を行う。
2004年2月、この行為に対して群馬県警はこの紙のナンバープレートを道路運送車両法違反(いわゆる
偽造ナンバーの使用)として自動車差し押さえを行う。
この差し押さえは、群馬県警本部から来た私服の幹部警察官ら10名により行われた。
県警の警察官が見せた書類には「差し押さえ物」は「車両」ということで、大河原警部補も状況を理解し、
「差し押さえられる前に、車内に入れた私物類は取り出しておこう」と考えた。
警察官に差押許可状が執行されていないかどうかを確認したところ「まだ差し押さえていない」と
執行をしていないことの意思表示を相手警察官がしたため、車両前面のナンバープレートに貼ってあった
紙ナンバーを引き剥がした。
すると、その場の3、4人の警察官が身体を拘束して、大河原警部補を取り押さえる。
県警の警察官らは、紙ナンバーが破かれたことで、「自分たちの職務執行に重大な支障が出るのではないか」と、
慌て、あまりの勢いで「逮捕行為」をされることに、大河原警部補はその場で強く抗議する。