「民間開放」駐車メーター管理、天下り先と随契継続
全国40都道府県で導入されている「パーキングメーター・チケット」の管理業務を巡り、
30都道府県の警察本部が、法令改正で民間企業への業務委託が可能になった2007年度も、
これまで同様に入札を行わず、警察の天下り先になっている各地の公益法人
「交通安全協会(安協)」に随意契約で委託していることが、わかった。
随意契約の額は全体の98%を占める計50億円。入札を行った10県でも民間企業が落札したのは1県だけだった。
警察庁によると、同業務は06年度まで、道路交通法施行規則で、委託先を「交通安全への寄与を目的とする
公益法人」と規定され、各都道府県警は地元の安協と随意契約してきた。政府が06年3月に閣議決定した
「規制改革・民間開放推進3か年計画」で「公益法人に限る合理的根拠はない」と指摘され、07年1月、
民間参入を認める改正施行規則が施行された。
読売新聞の情報公開請求に対する各警察本部の開示資料によると、07年度、40都道府県警が同業務を
総額51億円で委託した。このうち警視庁(契約額33億1000万円)、大阪府警(同3億8000万円)、愛知県警
(同1億5000万円)、福岡県警(同1億3000万円)など30都道府県警が入札を行わず、地元の安協との随意契約
を継続していた。随意契約の額は計50億円にのぼり、予定価格(発注上限額)が開示された11府県で見ると、
予定価格に対する契約額の割合が平均99・8%と極めて高値の契約になっていた。
入札を行ったのは、メーターなどの設置台数が少なく、事業規模の小さい10県。うち3県で安協と民間企業が
競合し、大分では、安協が前年度のほぼ半額の990万円で落札。和歌山では、安協が入札に参加せず、地元の
警備会社が1社のみ参加、全国で唯一、民間企業として受注した。残る6県では安協しか入札に参加せず、
うち奈良県警は入札参加資格に「県に、パーキングチケット管理の営業種目で登録されていること」と
事実上、安協しか認めない条件を設け、安協に予定価格と同額で委託していた。
(2007年11月24日3時2分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071124i101.htm