■逮捕■【留置場経験者募集】《パート7》

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160ほかほか弁当
ところで最近、オレはこうも思うねん。
ドラッグの力でパワーアップした自分と、しらふの自分とどっちが本当なんや?
ドラッグを食ったオレは偽モンか? あってはならんモンスターなんか?
もっとわかりやすく言うと、スポーツの世界にはドーピングってあるよな。
例えば、興奮剤の力を借りて100メートルを9秒40で走ったら、何であかんねん?
そりゃドラッグの力もあったかも知らんけど、やっぱり元の自分にそれだけの力があったということやないか?
ほな、ドーピングして100メートルを9秒40で走るのも、ドーピングなしで9秒80で走るのも、エライに変わりないやんか。

これからの人類は、ドラッグの力を借りて飛躍的に能力を高める道も模索すべきやと思う。
20世紀は機械文明の世紀やった。21世紀はドラッグ文明の世紀なんやないか。
例えば、何日間も眠らんでええクスリを飲んだ宇宙飛行士が火星着陸をめざす、
ドラッグで劇的に運動能力を高めた選手たちが、ピッチやグラウンドで、信じられんようなプレーを連発する、
サッカーの試合が15−13みたいなスコアになって、ゴールシーンが爆発的に増える、
自分の記憶の中の過去に戻って、亡くなった家族や友人と涙ながらに再会できる、
目もくらむほどの陶酔感と、全身しびれるほどの多幸感に包まれてみる、
そないなことがドラッグの力で可能にならんか。
これこそ人類の夢や、悲願や。
それが実現したとき、もはやドラッグは犯罪でも何でもなくなっていて、
昔、サツにSで捕まった――あれはいったい何だったのやろ、とオレは思う。