http://www.stv.ne.jp/news/search?idno=20030213191027 拳銃摘発は自作自演
現職幹部の逮捕という不祥事は、道警全体に発展する可能性が出てきました。2002年7月、覚せい剤を密売した罪で
逮捕、起訴された道警の元警部・稲葉圭昭被告は、上司から「なんとかならんか」と持ちかけられ、拳銃の押収が
警察内部の自作自演で成り立っていた事を、自ら法廷で証言しました。
(弁護士)「検事調書は全て事実ですか」
(稲葉被告)「ほぼ事実です」
(弁護士)「捜査協力者の為に金が必要だったのが原因ですか」
(稲葉被告)「はい」
稲葉元警部は覚せい剤の使用や拳銃の不法所持など、4つの罪に問われています。13日の法廷で稲葉元警部は、
拳銃は密売していないが、道警の上司の指示で押収を自作自演した事を具体的に証言しました。
稲葉元警部は1989年頃、北見署に勤務していた時に拳銃の押収について上司の実名をあげた上で、こう声をかけられた
といいます。
(上司)「なんとかならんか」
(稲葉被告)「首ナシ(拳銃のみ)でもいいですね」
(上司)「そんなことかまってられない」
この後、稲葉元警部は札幌で捜査協力者から拳銃を手に入れて北見に戻り、駅のコインロッカーに拳銃を入れました。
そして、北見警察署に「終わりましたから」と自ら連絡したといいます。この時の上司は今、札幌市内の警察署長を
務めています。道警では内部で調査確認中なので「コメント」は差し控えたいと話しています。
(山谷)「また、稲葉元警部は平成5年頃、実績を上げるために、(札幌市)南区の土地に拳銃を埋めて、通報を受けたと
自作自演していました。さらに同じ頃、稲葉元警部は大通駅のコインロッカーに機関銃を入れて、同じく拳銃押収を
自作自演していたと証言しました」
稲葉元警部によると、これらの事件も全て上司の指示によるものでした。(上司)「あと1丁で新記録だな」1993年の暮れ、
上司にこう声をかけられた稲葉元警部は、密造した銃を摘発します。この年、道警は79丁という過去最高の拳銃摘発
を記録しました。
(稲葉被告)「上司に報告はマメにしていました。」
道警の拳銃摘発を支えていた稲葉元警部は、「上司は全て承知していた」と述べました。覚せい剤の密売に手を染めたのは、
捜査協力者に対する報酬が足りなくなったためと証言しています。