579 :
第二話「赤報隊」:
「赤報隊」とは1868年に《御一新》と《年貢半減》を布告しながら官軍
先鋒隊として進軍をしたが、途上だしぬけに維新政府の総督府から「偽
官軍」と呼ばれ出し、捕われ処刑された者たちのことである。
重要なことは《年貢半減》が維新政府の政策として布達されていながら、
突如赤報隊の勝手な作り事とされたことである。これには都市の特権商
人たちがからんでいた。維新政府は彼ら特権商人たちから軍資金を得る
ため年貢半減令を取り消すという予定変更をしたのだ。特権商人たちが
利潤抽出がより安定的である年貢米取り扱いを特権的に保障されること
を要求したからだった。しかし、赤報隊はその時既に進軍を始めたあと
であり、《年貢半減》を《御一新》のキャッチフレーズとして布告して
いたのだ。
朝日新聞阪神支局の襲撃犯人は自ら「赤報隊」と名乗ったが、犯行当時
そんな徒党が世の中に存在することなど誰も知らなかった。なのに名乗
る「赤報隊」もはっきりさせなかった。
奇妙なことであった。普通は犯行声明は或る集団の思想的信条的な行為
として公にすることに意味がある。それらが如何にでたらめな論理で唯
我独尊的であるかということとは別に、である。しかし、「赤報隊」に
おいてはその集団の目的や思想、信条などがそもそも明らかにされてい
ない。つまり、上記の意味で「犯行声明」になっていないのである。
それにしても、そんな団体いったいどこにあるんだ?右翼も左翼も市民
も皆首をかしげた。
580 :
第二話「赤報隊」:02/04/11 21:43
ここで『序』で書いた引責処分を受けた面々のことを考えられたい。
何かおかしいとは思わないだろうか。
「公安」の盗聴など、ヤクザの暴力のように当り前で皆周知のもの
だ。なのに政府のそのものものしい対処の仕方はどうだろうか。
まるでこいつらが勝手にやっただけだとでも言いたそうではないか。
そして現実に下っ端の者ほど本当にトカゲの尻尾切りの境遇におか
れる。
「おかしなことではないか」・・・トカゲの尻尾切り状態に遭った
者たちは考える。「上からの命令でやっただけだろう。しかもそれ
は政府の意志ではないか。何で俺たちが悪者扱いされなければなら
ないのか。”サクラ”が解散しても、次は”千代田”と名を変えて、
やっぱりこれからも盗聴を続けるんじゃないか。なのにどうして俺
たちだけが・・・」
彼らは盗聴をやったことで責めらたのではない。バレたことが責め
られているのだ。
さてこれが維新の「赤報隊」???????